カテゴリ:ルーマニアで芸術( 18 )

 

ルーマニアの雑貨、買おうぜ

日本の雑貨屋さんで、ルーマニアの雑貨を仕入れているお店を紹介します。

グランピエ
京都と東京にお店があるそうです。

すごっくかわいいルーマニアのヘタレ雑貨は私も前に、この記事とかこの記事で紹介したのですが、これよりずっーーーーとハイセンスなものを仕入れていらっしゃいます。でもちょっと肩の力が抜けた雑貨で、いいかんじです。
実は仕入れにちょこっとだけ同行させていただいたのですが、さすがプロ。私なんかがふざけて選ぶヘタレ雑貨とは違います。人の手のぬくもりを感じさせつつ、お部屋にかざったらスタイリッシュで一風変わった雰囲気をかもし出すルーマニアの置物や絵を入荷されています。私が選ぶヘタレ雑貨と一見近いんだけど、違うんですよね。そこが素人プロの目利きの違いなんでしょう。ブカレストのアンティークショップで、木でできた古い道具を直感でヒョイヒョイっと選んでいかれる仕入れ担当の方、プロって感じでかっこよかったですよ!
ルーマニアの民族衣装なんかもあるみたいですので、お近くの方はぜひ行ってみてください。
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by heedoosama | 2007-11-28 05:31 | ルーマニアで芸術  

4 months 3 weeks and 2 days (4 luni 3 saptamani si 2 zile)

b0040048_6192117.jpgカンヌ映画祭で2007年のパルムドールを受賞した標題の映画(日本語訳:「4ヶ月、3週間と2日」)のレビューです。まだ日本では公開されていないみたいですね。
監督はクリスティアン・ムンジウ。ルーマニア映画です。

さすがカンヌで最高賞を受賞しただけあって、素晴らしいクオリティーなのですが、私は観ていてすごく辛くて、胸が痛かったです。共産党時代のルーマニアで、堕胎が非合法とされていた時代に、望まない妊娠をしてしまった女子学生が、ヤミで堕胎手術を行ってくれる医者を探す物語です。私が「辛い」といっているのは、女として堕胎の物語が辛い、というわけではありません。

私は共産党時代のルーマニアを知りません。
私が初めてルーマニアの地を踏んだのは97年で、民主化から8年。共産党時代の残滓のような雰囲気が、まだ少しだけ残っていたと思われる時期でした。

それでも、私はその場に居合わせたような気分にさせる映画で、観ていてほんとうに辛かったのです。

b0040048_6225710.jpg理由のひとつとして考えられるのは、知っている場所があまりにも多く出すぎていたからかとも思います。




主人公の住んでいる工科大学の寮(私は2001年ごろ、工科大学の寮に住んでいました)。あの暗い廊下、共同のシャワー室、タバコや化粧品を売る学生。蜜蝋で脱毛するルームメイト。寮の裏のバスの通る道。寒い学校の廊下。ごとごと夜道を走るトラムの固い木の椅子。野良犬。友達の住むアパートの入り口。アパートの裏庭で絨毯を叩く老婆を見ながら、人を待っていたこと。バサラブ駅の高架を夜走ったこと。そしてなんといっても、甘え上手で、優柔不断で、でも実はすごくしたたかなルーマニア人の寮の女の子たち。
あまりにも、身近に感じられるシーンが多すぎて、寮に住んでいた当時、私の身の回りで知らない間に実際に起こったできごとなんじゃないかっていう気がしてきてしまい、空恐ろしかったです。もちろん、私の学生時代は既に堕胎は合法化されていたんですが。

主人公が宿泊を断られるホテルとか、最終的に宿泊するホテルのロケ地も馴染みのある場所で(プロイエシュティのホテルチェントラルとブカレストのホテルアストリアです)、映画を見ているというより、「今、目の前で起こっていること」を傍観しているような気分になりました。

私にとってはリアリティー満載の映画だったんですが、ルーマニアに一度も来たことがない人にとってはどうなのでしょう。正直言って私はほとんど客観視できず。それはただ単に私の知っている場所が多く出ていたからなのか。それとも、監督の腕のなせる業なのか。低予算で心理的な迫力を出したすごい映画なんだけど、観終わったあとに口の中が苦くなるような気がする映画でした。ルーマニアを知らない人にも、「リアリティー」を感じさせるようなカメラワークで撮っているのでは・・・という気もします。誰か教えてください。
予告映像はこちら

すごいと思ったのは、実在の場所で撮っているだけではなくて、共産党時代の寂しい街の雰囲気というか、空気感を再現しているところです。私はその時代のブカレストを知らないけれど、「ああ、きっとこんな雰囲気だったんだろうな」と思わされます。

ルーマニアのレビューを読んだり、私の周りのルーマニア人の意見を聞くと「カンヌで受賞したのは素晴らしい。そしてすごい映画なんだろうけど、我々ルーマニア人としては古傷をえぐられるようで見ていて辛い」という意見が多いです。
ルーマニア映画が国際的に有名になるのはいいけど、なんでまた共産党時代の自虐ネタで有名にならなきゃいけないんだ・・・というのが国内での評価なのかもしれません。

いろいろ考えさせられました。機会があったら観てください。
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by heedoosama | 2007-11-11 06:27 | ルーマニアで芸術  

ルーマニア映画 上映情報

ぐはぁ。久しぶりの更新です。
すみません、またまた更新の間隔が空いてしまって・・・。
でも元気です。コメントくださった皆様、すみませんでした。ダメでグズな私です。でもコメント見て反省してます・・・。

東京国際映画祭が開始したようですが、今年はルーマニア映画も上映されます!
カンヌ映画祭で「ある視点」賞を受賞した、クリスティアン・ネメスク監督の「カリフォルニア・ドリーミン」です。
上映スケジュールはこちら↓
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=153
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ルーマニアで既に観ましたが、面白かったです。特に主人公が「あー、こういうロムンカ(ルーマニア人女性)いるいる」っていうかんじで(笑)。あと、私、仕事上で地方自治体の関係者に会うことも多いんですが、映画に出てくる町長さんが、「めっちゃ典型的な地方の町長」ってかんじでヒーヒーいいながら笑い転げてしまいました。ネメスク監督、あんたはルーマニア人なのに、なんでこんなに「ルーマニア人観察」が上手いんだ!天才。
お勧め映画です。
ネタバレになるので、内容は詳しく書きませんが、あの荒野のエッフェル塔はルーマニアの田舎に実在します(笑)。あれは実際に田舎のキッチュなカネモチが作ったんすよ。田舎の人のずるさ、みっともなさ、純粋さ、必死さ、単純さ、凶暴さなどがぐっと詰まった映画です。「ルーマニア人が撮った、ルーマニアの国民性をおちょくる映画」ってかんじです。でもルーマニアへの愛情が感じられます。「俺の祖国ってこんなにダメダメだよ。笑えるでしょ?笑っていいんだよ。笑われたって大丈夫。俺らはこのままゆるーくがんばるよ」っていう監督の心の声が聞こえるようです。

前にも書きましたが、この映画の完成前にネメスク監督はブカレストでタクシーに乗っていて、ポルシェに追突されて亡くなりました。合掌。
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by heedoosama | 2007-10-21 01:44 | ルーマニアで芸術  

カンヌで賞獲得のムンジウ監督に盗作疑惑?

先日、カンヌ映画祭でパルムドールを受賞したクリスティアン・ムンジウ監督の"4 luni, 3 saptamani si 2 zile"(4ヶ月、3週間と2日)ですが、なんと、盗作疑惑が浮上してきました。
Dan Mihu(ダン・ミフ)というルーマニア人監督が「俺も共産党時代の非合法堕胎の話、撮ってるし!ムンジウは俺がその作品を出品したコンペの審査員を務めてるし!盗作された~」と言っています。私はミフ監督のもムンジウ監督のも、作品を観ていないので何ともいえませんが、ミフ監督のはどっちかというと宗教と神をからめたテーマのようで、「共産党」「堕胎」といったキーワードが共通しているものの、アプローチは違うのかなという気もしています。まあ観てないと何とも言えんです。

これに関して、ムンジウ監督は、以下のようにコメントしています。

「共産党時代の堕胎禁止に関しては、多くの監督がヒントを得るだろう。しかし、問題はそれをどうやって具現化するかということだ。共産党主義時代をテーマにした映画はたくさん撮られているが、それは監督同士がお互いの真似をしたということではない」

で、盗作疑惑に辟易したのか、次回作はもう共産党時代をテーマにした映画はやめた!とのことです。
あれ・・・私も以前書きましたが、「共産党シリーズ」を撮り続けるんじゃなかったの・・・?
旧東欧の「共産党もの」とかユーゴの「内戦もの」といったジャンルは、正直いってカンヌやらベルリン映画祭ではウケやすいものなんで、あえてウケやすいテーマを脱却して勝負するというのは、正しい姿勢ともいえますね。「カンヌでパルムドール獲得・・・めでたいけど何故いまさら共産党時代の話を?」という見方も国内にはあるし。

あと、こぼれ話。
"4 luni, 3 saptamani si 2 zile"の中で、ホテルの一部屋が舞台になるんですが(参考写真:Mishuさんのブログ)、どこで撮影したのかと思ったら、ブカレストのホテル・アストリア(Astoria) ですって!すっげー納得!!
このホテル、私の中で「ブカレストで泊まってはいけないホテル」第1位なんですよ。どうしても泊まりたいという方には「共産党ちっくなサービスを体験したい方にはお勧め」と言っているホテルでして。料金は安いのですが、外壁が汚い、フロントはおそろしく暗い、フロントの人は全員更年期障害かっていうぐらいイライラしている、部屋は古くてみずぼらしい、じゅうたんがなぜか濡れている、レストランはぼる、レストランのメニューに載っているほとんどの料理は品切れ中、レストランで注文してから料理が出るまでに果てし無く時間がかかる・・・とルーマニアのダメなサービス業のなかのダメエッセンスを凝縮したようなホテルなんですよ。ムンジウ監督、このホテルで共産党時代の1シーンを撮るとは、すばらしいご慧眼。つーか、このホテル、珍しく未だに国営ホテルなんですよね・・・。ブラヴォー。ここまでくると「負の遺産」として世界遺産に登録したほうがいいような気がしてきました。ああ、ホテル・アストリアよ、永遠に。
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by heedoosama | 2007-06-03 16:59 | ルーマニアで芸術  

ルーマニアの監督がパルムドール!!

すみません、ものすごく久しぶり投稿です。コメントの返事もしていなくてすみません。必ず書きます。私は元気です。

今日は、何故久しぶりに投稿したかというと、すごくすごくうれしいニュースがあるからです。
ルーマニアの監督が、カンヌ映画祭でパルムドールを獲得しました。やっと、やっと、ルーマニア映画もこれで国際的に注目されるんでしょうか。

今回受賞した監督の名前はクリスティアン・ムンジウです。日本のメディアでは「ムンギウ」と表記されているようですが、誤りです。
作品名は"4 luni, 3 saptamani si 2 zile"、日本語に訳すと「4ヶ月、3週間と2日」です。堕胎が禁止されていた共産党時代に、望まない子供を妊娠してしまったある女性が、大学の寮のルームメイトと一緒に非合法に堕胎を行う医師に会いに行くというストーリーだそうです。一部シーンがこちらで見れます。
ルーマニアではトランシルヴァニア国際映画祭で封切りされる予定。いや~~、楽しみです!!日本では配給されるのでしょうか。字幕翻訳、やらせてもらえないかな・・・。



ちなみに、この映画は監督自身の計画では、「黄金時代の思い出」と名づけられたシリーズものの一部になるそうです。このシリーズでは、共産党時代とは何だったのかを、共産主義そのもののイデオロギーには触れずに、個人の体験を通して語るものだそうです。

現地紙より、受賞にあたっての監督のコメントを転載します。
「今から1年前、私はこの映画を撮ることすら考えていませんでした。今から6ヶ月前は、資金がありませんでした。その後、どの部門でもいいからとにかくカンヌに出品できたらいいなと考えるようになりました。ここ、カンヌに来ることが夢でした。この度のパルムドール受賞は、低予算で映画を撮ろうとする全ての人にとって、希望となるでしょう。パルムドールを受賞するには大金を投じたり、有名人を起用することは必要ないという希望です」

今回、ルーマニアの別の監督である、クリスティアン・ネメスク氏の「カリフォルニア・ドリーミング」も「ある視点」賞を受賞したようです。しかし、ネメスク監督は2006年8月に、ブカレストで起こった交通事故で亡くなっています(ロガンのタクシーに乗っていて、エロイロールの橋のところでポルシェに追突された)。ここに哀悼の意を表します。

参考記事→Mishuさんブログマリチカさんブログ
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by heedoosama | 2007-05-28 07:58 | ルーマニアで芸術  

農耕世界を歌うロックバンド

前回の記事でこっそり(?)アピールしてしまったZdob si Zdubですが、今回の記事でははっきりアピールします(笑)
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ライブ@コンスタンツァ。ピンボケでスマソ。
彼らはモルドバ共和国のバンドです。モルドバ共和国のグループで、ルーマニア語で歌っています。・・・というと、何か思い出す人もいるかもしれません。そう、「恋のマイアヒ」で大ヒットしてしまったO-zoneもモルドバ出身で、ルーマニア語で歌ってました。
O-zoneはあのアホっぽい明るさが素晴らしかったのですが、Zdob si Zdubもアホ的明朗感では負けておりません。

しかし、Zdob si Zdubはアイドルではありません。ロックバンドです。
しーかーも、エスノ・ロック。民俗音楽とロックの融合です。ルーマニアに民俗音楽フィーチャードな曲を歌うグループは数多いけれど、音楽的完成度の高さでは他のバンドは足元にも及びません。伝統楽器を自由自在に使いこなし、かつ完璧にロックに仕立てているのが、もう、あの、すんげーかっこいいんですってば。やばいやばいやばいカッコ良さ。

彼らの曲は、歌詞はルーマニア及びモルドバ及びロマ(ジプシー)の伝統世界をベースにしています。「種を撒け」的な伝統的農耕歌の歌詞をそのまま使用している場合もあります。
「羊飼いが」とか「オレのロバが」とか「トラクターが」とか「おばあちゃんが太鼓をたたいた」とか、歌詞は、相当ふざけてます。ふざけてますけど、マジメにモルドバの、ルーマニアの、伝統世界をたたえています。で、かわいいんだってば。

インターネット世界を見回してみても、すでにsunさんとか、Mishuさんとか、Zombieさんとか、複数の日本人ブロガーさんがこのバンドを紹介しています。日本でもコアな音楽好きにはうけると思う。

彼らの曲が聞きたい人はYouTubeでZdob si Zdubと入れて検索するとイロイロ出てきます。個人的にはこれとかこれが好き。彼らの、このセンスの良さ。民俗的でありながらぜんぜんダサくないんですよ。
どうしてもCD買いたい!って人は・・・ルーマニアかモルドバに来るか、もしくはamazon.comとかamazon.deとかで買えますが、他に何かいい方法、ご存知の方、いる?
b0040048_5463369.jpg                    ミーハーなんです。
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by heedoosama | 2007-01-25 05:55 | ルーマニアで芸術  

ところかわれば・・・こんな忘年会

みなさま、どんなお正月を過ごされましたか?日本ではもうお正月気分も抜けて、七草粥とか食べる頃でしょうか。
今回のブログ記事の話題は・・・忘年会です(笑)
正月ももう終わりなのに忘年会ネタ。我輩の辞書には季節感という文字はない。温暖化が進んで気候とかおかしくなってるし、季節感とか、まあ合ってなくてもいいじゃん。強引?

ルーマニアでは各会社でクリスマスパーティーをやる場合が多いようです。日本で言う忘年会にあたるものでしょうか。日本で忘年会というと、あれですね。居酒屋、かくし芸、2次会、カラオケとか。いいなー居酒屋行きたいなあ。生中で乾杯、焼酎飲んで、焼き鳥たべて。トイレに寝るOL、ネクタイを頭に巻く係長、酔いに乗じて課の女の子にセクハラ。いいねー、日本の忘年会。

で、ルーマニアの忘年会ってどんなのよ?
うちのだんなの会社から、クリスマス前に全社員にメールが送られました。

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題名:今年のクリスマスパーティー

○月○日、毎年恒例のわが社のクリスマスパーティーを行います。
ブカレストのノッタラ劇場を貸切にしましたので、なるべく盛装のうえ、
奥様同伴でいらしてください。
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え、ちょっと待ってください。
クリスマスパーティーって忘年会でしょ。新宿の居酒屋で課長のかくし芸はどこに。劇場?盛装?奥様同伴?
ちなみに、だんなの会社はIT系です。社長は若いけど事業で成功して有名になった人で、日本で言えば六本木ヒルズ族的な人かも。

というわけで、だんなに連れられやってきました。クリスマスパーティー。
さすがにカクテルドレスは恥ずかしかったので、普通のスーツで。劇場のホールでは、きれいな衣装を着た奥様を連れた社員連中が、シャンペン片手にご歓談してます。ネクタイを頭に巻いた係長とかは今のところ、見当たりません。
30分ぐらい人の合間を縫いながら歓談していたら、今度は「皆さん劇場の席についてください」とのこと。てきとうな席に座ります。・・・と、私の隣にはなんと、しゃ、社長が座っちゃいましたよ。どうしよー有名人ヒルズ族社長ですよ。とりあえず、社長の隣の奥様を観察します。ふつうのおばちゃんお姉さんです。釈由美子でも、女子アナでもありませんでした。

b0040048_22423114.jpgで、舞台の幕が開いて、いきなり演劇が始まります。
セットなしの舞台の上に現れたのは、現地では有名な役者、Oana Pellea(左)とGruia
Sandu(右)。ネクタイを頭に巻いた係長ではありません。
芝居は1時間半ぐらい続きました。内容は、喜劇なんだけど人生とは何かと考えさせられるような、最後はひっそりと悲しいお話。起承転結のない、前衛芝居でした。名役者の2人の演技にひきこまれました。

芝居が終わった後は、今度は役者2人が普段着に着替えて、今の芝居を観てどう思ったか、質問はあるかなど、観客と対話の時間を持ちました。この2人、演劇大学の現役教授だけあって、観客をひきこませるような話が本当にうまい。観客(社員)からもぽんぽん質問が出て、有意義な時間でした。演劇と人生とは何か、ヨーロッパ各国の文化・言語が演劇に与える影響、ルーマニア人とは・・・などなど、観客と役者が対話しました。

ちょっと待て。

ただのソフトウェア製作会社なのに、なに、このインテリちっくな忘年会は。
頭にネクタイ巻いた課長はどこにもいません。ベテラン役者とともに語る前衛演劇の世界ですよ。

ルーマニア、くさっても(失礼)ヨーロッパでした。

いや、すっごく素敵なパーティーだったんですけどね。
品性とか文化とか関係ない日本の忘年会も懐かしい私です。新橋に行きたい。居酒屋のトイレの便器を抱えて眠りたい。
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by heedoosama | 2007-01-07 22:47 | ルーマニアで芸術  

腰くだけてください

以前、陶器を買いにルーマニアのホレズという町に行った話を書きました(こちら)。
その時に「あんたさあ・・・」と同行した友人たちに、あきれられながら(ひかれながら?)
も買った、キッチュな陶器の壷があります。
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なんですか、この。ハニワですか?伝統工芸ですか?ふざけてませんか?
いや、他にもホレズには素敵でマトモな陶器は山ほど売っているのですが、私は
これを買ったことをみじんも後悔しておりません。すばらしいです、ルーマニアの
伝統工芸。この腰くだけ感がたまらんのですよ。

・・・と、このように悦に入っておったわけですが、先日セルビアに旅行に
行ってきた
際、さらにこれを超える陶器の壷を発見してしましました。
ああ、その壷を発見したときの私の驚きと言ったら・・・

「バルカンにはまだまだ上には上がいた・・・」

それほどまでに、私を打ちのめしてくれました。

                  ↓
                  ↓
                  ↓
                  ↓


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えーと。19世紀のセルビアの壷、だそうです。伝統工芸だそうです。
当時の王様の顔だそうです。
バカ殿様か?

以前もこのブログで、ヘタレ宗教画をご紹介しましたが、バルカンのポピュラー
アート、まだまだ要注目です。腰くだけましたか?
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by heedoosama | 2005-11-18 06:10 | ルーマニアで芸術  

『ラザレスク氏の死』

今年のカンヌ映画祭で「ある視点賞」を受賞した『ラザレスク氏の死
(Moartea Domnului Lazarescu) 』を観てきました。カンヌでルーマニア
映画が賞取るなんて珍しいですよ~。東欧映画の中でもロシア、ポーランド、
セルビアに遅れを取ってますからね。

(以下、ネタばれ注意)
「ある視点賞」というのは、私の認識によるとドキュメンタリー調の映画に与えられる
もんであるというもんですが、違いますか?この映画、実際に起きた話をモデルに
しているらしいです。
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要するにルーマニアの病院は怖いよ~~という話です。
怖い?何が?サービスの質です。患者が人間扱いされていない。

ラザレスク氏という73歳のおじいさんが、朝から頭痛と嘔吐がとまらないので
救急車を呼びます。救急車は待っても待っても来ない。やっときたと思ったら、
救急隊員は、診察の合間にタバコを吸って近所の人と世間話。
(ルーマニアでは、救急車を呼ぶとまず看護婦がその場で診断して、
救急車に運ぶか否か、決めます)
この「待てど暮らせど救急車が来ない」という話は、実際に私のルーマニア人
の友人が経験しています。夜の10時に救急車を呼んで、朝5時にやって
きたという話です。実話。それって救急車なのか・・・すんげえ不思議。
(ブカレストには私営の病院があって、そういうところではお金はかかるけど、
スピーディーに救急車が来てくれます)
しかし、この映画では、主人公はお金のない独居老人。私営病院にいく金もなく、
国立病院の救急車を呼びます。

やっとこさ救急車に乗せられ、病院に運ばれたものの、病院の医者は高圧的。
「あんた、酒臭いよ!酒ばっか飲んでるから病気になるんだよ!そんなやつ
のために救急車あるんじゃないんだよ。うちじゃあんたみたいの診てる暇
ないよ」といわれ、別の病院に送られます。

次の病院では、CTスキャンを撮って、癌と脳溢血の疑いがあることが
わかったものの、「脳の緊急手術が必要ですが、うちは手術室いっぱいなんで、
無理です。別の病院に行って。で、頭に穴あけて手術すりゃ、家で
癌で死ねるよ」と検査技師に言い放たれ、脳溢血で死の瀬戸際なのに
救急車で次の病院へ。

b0040048_4152894.jpg3番目の病院では、「早く手術してあげてください」と言い張る救急隊員の
言葉を無視して医師は「診察は医師の仕事。下っ端が口出すな」と言う。
その医師は、ちんたら診察。挙句の果てに「手術の同意書にサインして」と言う。
ラザレスクは意識モーローでサインできない。「じゃあ、手術はできない。おい、救急車のおばさん、この人連れて1時間ぐらい外を走ってきなよ。完全に意識なくなったら、手術してやるからよ。それまでは、意識があるのにサインしないんじゃ、法律違反になるから俺は手術しないよ」と官僚主義的主張を行う医師。

しかたなく、救急車は4軒目の病院へ。ようやくここで手術が決まりますが、
時すでに遅し。ラザレスク氏が救急車を呼んでから、実に約6時間が
経過しています。

・・・以上、コワーイ映画なのですが、たしかにルーマニアの病院については
「医師が早く家に帰ることしか考えていない」とか「医師に賄賂をあらかじめ
わたさないと手術してもらえない」とか、いろいろ聞いたことがあります。
この映画に出てくることも、あながちオーバーじゃなさそうです。
映画を見終わった後「ぜえええええったい、ルーマニアで公立病院の
お世話になるのは、よそう。健康な生活をしよう」と心に誓いました。

この映画、ところどころにちりばめられているブラックジョークが面白いです。
怖いだけじゃなくて、笑える映画。
バルカンの笑いは、やはりブラックです。旧ユーゴ出身クストリッツァ監督の
『アンダーグラウンド』しかり。そういえば、今年のカンヌの審査委員長は
他でもないクストリッツァ氏でしたね。『ラザレスク氏の死』で随所に見られる
ブラックユーモアは彼の心の琴線に触れたのかも。
やっぱ、この「どん底の生活をしながらも、どこかにそれを笑い飛ばす余裕
がある」っていう雰囲気はバルカン独特かも。どこがどうというのは言葉で説明でき
ないので『アンダーグラウンド』や『ラザレスク~』を観てもらうしかないですけど。
b0040048_57551.jpg
内容は暗いのに、ポスターはあくまでも明るいし。「うちら、どん底な国なんですけど。
でも、このユルさが笑えね?」みたいな。


この映画、カンヌで賞を獲ったものの、日本で公開される予定はないの
でしょうか。公開されるとしたら、日本語字幕はワシにやらせてくれないかなー。
なんつって。
興味のある人は、たぶんそのうちアメリカかUKのamazonでDVD
販売するでしょうから、チェックしとくといいかも。
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by heedoosama | 2005-10-11 04:18 | ルーマニアで芸術  

ジョルジェ・エネスク音楽祭へ行ってきました

本日はジョルジェ・エネスク音楽祭へ行ってまいりました。本日が
音楽祭のオフィシャル・オープニングだったのですよ。
エネスクは国際的にはエネスコという読み方のほうがメジャーなよう
ですが、本場ではエネスクと発音してます。ていうか、それ誰?
エネスク音楽祭って何?って方は(そっちの人のほうが多いよな)
こちらとかこちらのページをご覧ください。
要するに、ルーマニア出身のクラシック作曲家ですね。

毎回思うんですが、音楽祭のメイン会場であるSala Platului(王宮ホール)
は、いかにも共産党時代に建てられましたってかんじのホールで、
共産党大会でも行うにはいいけど、音楽ホールとしては外観も、
音響もだめだめ・・・だと素人ながら思っています。なんかあそこに
いると、これから党大会が始まって10ヵ年計画とか聞かされるような
気がしてきます。私だけか。  ↓ココ
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サブ会場(?)のアテネ音楽堂のほうが雰囲気も設備も好きです。

エネスクの「ルーマニアン・ラプソディー」は毎回この音楽祭の
オープニングで演奏される曲らしいですが、演奏するのは
その名も「エネスク交響楽団」。さすが、落ち着いた演奏で、
洗練と田舎臭さの間をさまようようなエネスクの曲を、余裕たっぷり
で演奏してんなー、ってかんじでした。クラシックどおんち
私の勝手な感想ですが。って言い訳しとこ。

ところで、オープニングであるからして、バセスク大統領も来てました。
一緒に行った私の彼氏の叔母さんがバセスクのファンで「出待ち」したい
と言い出しました。この叔母さん、共産党時代に秘密警察に家を
取り上げられ、その後バセスクがブカレスト市長になった時に家を
返還してもらったのです。だからバセスク大統領は恩人。
で、待ちましたよ。出口で、大統領を。

そしたら、最初に出てきたのが大統領のイリエスク。
ジャーナリストに囲まれてなにやら、長々と得意げにインタビュー
に答えてました。
その後だいぶたってから、バセスク大統領が登場。
ジャーナリストには「こんばんは」だけ言って、さっさと車に乗り込み
ました。
なんだか、権力の座から追われても目立ちたがり屋の前大統領と、
余裕のある現大統領の差を見たようでした。かっちょいいなー
バセスク。「あ、誰か出てきたよ。はげてるから、あれがバセスク
じゃない?」って言ってSPに、私、にらまれましたけど。
写真撮ったけど、ヘボデジカメのフラッシュではろくなものが
撮れませんでしたよ。
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彼氏の叔母さんは、去っていく大統領の車に投げキッスしてました。
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by heedoosama | 2005-09-05 06:16 | ルーマニアで芸術