カンヌで賞獲得のムンジウ監督に盗作疑惑?

先日、カンヌ映画祭でパルムドールを受賞したクリスティアン・ムンジウ監督の"4 luni, 3 saptamani si 2 zile"(4ヶ月、3週間と2日)ですが、なんと、盗作疑惑が浮上してきました。
Dan Mihu(ダン・ミフ)というルーマニア人監督が「俺も共産党時代の非合法堕胎の話、撮ってるし!ムンジウは俺がその作品を出品したコンペの審査員を務めてるし!盗作された~」と言っています。私はミフ監督のもムンジウ監督のも、作品を観ていないので何ともいえませんが、ミフ監督のはどっちかというと宗教と神をからめたテーマのようで、「共産党」「堕胎」といったキーワードが共通しているものの、アプローチは違うのかなという気もしています。まあ観てないと何とも言えんです。

これに関して、ムンジウ監督は、以下のようにコメントしています。

「共産党時代の堕胎禁止に関しては、多くの監督がヒントを得るだろう。しかし、問題はそれをどうやって具現化するかということだ。共産党主義時代をテーマにした映画はたくさん撮られているが、それは監督同士がお互いの真似をしたということではない」

で、盗作疑惑に辟易したのか、次回作はもう共産党時代をテーマにした映画はやめた!とのことです。
あれ・・・私も以前書きましたが、「共産党シリーズ」を撮り続けるんじゃなかったの・・・?
旧東欧の「共産党もの」とかユーゴの「内戦もの」といったジャンルは、正直いってカンヌやらベルリン映画祭ではウケやすいものなんで、あえてウケやすいテーマを脱却して勝負するというのは、正しい姿勢ともいえますね。「カンヌでパルムドール獲得・・・めでたいけど何故いまさら共産党時代の話を?」という見方も国内にはあるし。

あと、こぼれ話。
"4 luni, 3 saptamani si 2 zile"の中で、ホテルの一部屋が舞台になるんですが(参考写真:Mishuさんのブログ)、どこで撮影したのかと思ったら、ブカレストのホテル・アストリア(Astoria) ですって!すっげー納得!!
このホテル、私の中で「ブカレストで泊まってはいけないホテル」第1位なんですよ。どうしても泊まりたいという方には「共産党ちっくなサービスを体験したい方にはお勧め」と言っているホテルでして。料金は安いのですが、外壁が汚い、フロントはおそろしく暗い、フロントの人は全員更年期障害かっていうぐらいイライラしている、部屋は古くてみずぼらしい、じゅうたんがなぜか濡れている、レストランはぼる、レストランのメニューに載っているほとんどの料理は品切れ中、レストランで注文してから料理が出るまでに果てし無く時間がかかる・・・とルーマニアのダメなサービス業のなかのダメエッセンスを凝縮したようなホテルなんですよ。ムンジウ監督、このホテルで共産党時代の1シーンを撮るとは、すばらしいご慧眼。つーか、このホテル、珍しく未だに国営ホテルなんですよね・・・。ブラヴォー。ここまでくると「負の遺産」として世界遺産に登録したほうがいいような気がしてきました。ああ、ホテル・アストリアよ、永遠に。
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by heedoosama | 2007-06-03 16:59 | ルーマニアで芸術  

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