ブルーベリーに見るルーマニア経済

前回の続きでブルーベリーのことを。

日本でブルーベリーが「目にいい」とされて、ブームが始まったのは4-5年程度
前だったような気がします。その当時の日本国内での「ブルーベリー需要」の
余波を受け、ここルーマニアにも安いブルーベリーはないか、と探しに来る
日本の業者さんがいました。

私もお仕事で少しかかわることになり、ルーマニアのブルーベリー栽培について
ちょっと調べました。
で、わかったことは・・・「ルーマニアではブルーベリーは『栽培』するものでは
ない」というもの(^^;)。誰に聞いても「ブルーベリー?そんなもの山に入って
採ってくるもんでしょ?」と言う答え。

OH!ワイルド!縄文の採集生活ですか?
たしかに市場でもシーズンになるとブルーベリーを売っていますが、それらは
地元の農家の人が山に入って取ったもの。畑で育てたものじゃないんです。
しかも小高い山なんかでよく育つため、山の上にある村では「ブルーべりー
をバケツ1杯かかえて、下の村に行って、小麦粉とか砂糖と物々交換」
となんていうところもありました。21世紀の欧州において、このような物流
システムが残されているというのは、ミクロ経済的見地からも、稀有な事例では
なかろうか。ていうのは、まあ大げさですが、物々交換の話はホント。
クルミたくさんと、鍋1個という交換事例も見たことがあります。のどかだね~。

で、ブルーベリーですが、ようするにちゃんと「大量栽培」して「計画的に
市場に卸す」ようなもんでは、あまりないようです。全く無いわけではない
そうですが。ですから、「安定した量を」「均一な品質で」提供されることを
要求される日本市場には不向きですね。
まったく栽培されてないわけじゃないんですが(自宅用に少ししか育てて
ない人もいるし)、計画的大量生産というのは例外的なようです。

以前山道を車で走っていたら、ちょうどベリー類のシーズンで、ラズベリーやら
ブルーベリーをバケツ1杯300円ぐらいで売っていて、その安さに
打ちのめされました。まあ、山に入って勝手に取ってくるわけですから、元手は
いらんわな。ようするに300円と言うのは人件費だけなわけですね。それに
しても、安い。大量のルーマニア人がスペインに出稼ぎに行って、イチゴ摘み
労働に従事しているのも、わかる。人件費安いもん。

ちなみにバケツ1杯買われたベリー類は、ルーマニアの工科大学情報処理
学科の学食に売られ、プログラミングを学ぶ学生が、目をいたわるよう、メニューに
使用されてます。
国家をかけて学生の保護およびIT技術向上プログラムに役立てられている・・・
わけではないです。真っ赤な嘘ですよ。信じちゃダメですよ。
ベリー類は一般家庭で、自家製ジャムを作るのに使われてます。うまいっす。

前に、ロマのおばちゃんで、山に入ってベリー類を採って、道端で売りさばいて
いる人に突撃インタビューを試みたところ、「旬の時期はねー、クマとの競争
だわさー。クマもラズベリーとか好きだもんでさ。クマに採られるか、自分が
採るか
、の争いだわね」との答え。タフなご職業のようです。
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by heedoosama | 2005-05-26 03:28 | ルーマニアで食事  

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